活動記録本文の前に
明治大学の学生さん方が作成した
「やさしい日本語」と多文化共生をテーマにしたステキな動画「やさしい せかい」をぜひご覧ください!
2024年2月14日
公益財団法人 石川県国際交流協会「やさしい日本語」講座をメンバーが受講しました。
公益財団法人石川県国際交流協会
〈通称:IFIE アイフィー〉とは
石川県における国際交流推進の中核的組織として、1992年3月、石川県の出資により設立されました。国際交流や国際協力活動とその支援、啓発的活動、国際情報サービスなど、県民と外国人との架け橋をめざして各活動に取り組んでいます。
石川県が策定した「石川県国際化戦略プラン2016」に基づき、多文化共生社会の実現に向けて、外国に繋がりのある方々と県民のために、さまざまな事業を行っています。
IFIE ウェブサイトより抜粋
IFIEの活動の一環として、
講師を派遣し、
「やさしい日本語」講座を開いてくださるとお聞きし、今回、メンバー勉強会という形で講座をお願いしました。
日本語を母語としない方への分かりやすい表現「やさしい日本語」
それは、私たち、言葉の発達に遅れのある知的障害、発達障害児の親が、
”自分の子どもに分かるように”表現している喋り方、コミュニケーションと共通点があるのではないか?
と思ったことがきっかけです。
講座の依頼をしたのは昨年秋なのですが、
年明けに能登半島地震を経験し、
当初思っていた以上に、
深く、より具体的に、
考えさせられる内容となりました。
というのも、「やさしい日本語」は、
1995年 阪神・淡路大震災で、外国人被災者の人数に対する死者、負傷者の割合が、日本人よりも多かったことがきっかけで、
災害情報を
「迅速に」
「正確に」
「簡潔に」
外国人被災者に伝えるために提案された
のが始まりだそうです。
今年の元日、
能登で大きな地震があり、
お正月休みということもあり、
普段能登にお住まいではない観光客や帰省中の人なども慣れない土地で被災したわけですが、中には外国人の方もいらっしゃったと思います。
1995年との違いは、SNSの発達。
今回の地震でもそうですが、
今、何か大きな災害が起こったとしたら、
SNS上で繋がることで、
情報が何も得られないという状況にはならないようです。
しかし、
その情報をどう理解し、
どう活用すればいいかは、
やはり日本人よりも難しい状況になってしまいます。
例えば
・避難所は市内のコミュニティーセンター6か所を開設します
・給水車が市役所まで来ています
といった情報が手に入ったとしても、
*コミュニティーセンターってどこ?
*給水車のある市役所まで行きたいけど、どうやって行ったらいいの?
という具合です。
(この場合は、コニュニティーセンターの具体的な場所や、市役所まで行く手段がない方はどうしたらよいかなどの情報が書いてあると分かりやすいですね)
私たちPoco a pocoのメンバーは
言葉の発達に遅れのある子と接しているので、普段から感じることですが、言葉っていくら正しく表現したとしても、真意が伝わらないと意味がないんですよね。
逆に言うと、
表現や言葉尻が変わったとしても、
内容や意味が正しく伝わればOK。
なんだったら、
「言葉」に拘る必要すらないと思っています。
写真や絵、ジェスチャー、見本の提示でも。
伝えるためにあらゆる方法を取り入れます。
相手に伝えたいという気持ちと、
それが伝わることが大事なんです!!
「やさしい日本語」には
”は・さ・みの法則”
というのがあるそうです。
~は・さ・みの法則~
は:はっきりと
さ:さいごまで
み:みじかく
日本語って、
はっきり言わない、
皆まで言わないで、言われた側が察する・・・
それが良い!みたいなとこありますよね。笑
言わない側でなく、
察しない側に責任があるような、
そんな言語のように思います。
大人の書く文章は、
接続語や句点などでどんどん長くなりがちです。
この、長い割にははっきり書かれていない日本語の文章(酷い言い方ですね。笑)が、日本語を母語としない方には、とても分かりづらいということです。
さて、ここまでの私の文章は、どうでしょう。
長くて、分かりにくい文章が多いですね・・・(ごめんなさい。笑)
「講座の依頼をしたのは昨年秋なのですが、年明けに能登半島地震を経験し、当初思っていた以上に、深く、より具体的に、考えさせられる内容となりました。」
この文章を”はさみの法則”でやさしい日本語に変えてみます。
「2023年の秋にやさしい日本語講座をお願いしました。
2024年1月1日に能登半島地震が起きました。
講座の内容がとてもよく分かりました。」
これで合っているのか、採点していただきたいところですが・・・
要は、
文章の構造を簡単にして、
難しい表現は言い換える、
その際に”もともと持っている日本語の微妙なニュアンス”はばっさりカットしてでも、内容を正しく伝えることが大事ということです。
はじめに、
「やさしい日本語」は言葉に遅れのある子たちへの支援と共通点があるのでは?というきっかけで講座をお願いしたと書きましたが、
今回講座を受けて、
単純に「言葉の表現方法」だけでなく、様々な共通点があるなと感じました。
・地域社会や学校に溶け込める? ・受けられる支援は? ・被災したらどうする? ・避難所に行ける?
当サークルは、
昨年、金沢市共生社会推進事業者の認定を受けました。
そして、
今回お話を伺ったのは、
多文化共生社会に関することです。
共生社会とは、
誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合い、多様な在り方を相互に認め合い、これまで必ずしも十分に社会参加できるような環境になかった障害者等が、
積極的に参加・貢献していくことができる全員参加型の社会のこと。
Googleより
多文化共生社会とは、
国籍、民族等の異なる人々が、互いに文化的背景等の違いを認め、人権を尊重しあい、地域社会の対等な構成員として共に生きる社会のこと。
Googleより
つまり、
対象や方法に多少の違いはあれど、
お互いの違いを理解しようという気持ちと少しの配慮で、
学校、職場、地域社会、あらゆる場面で、みんなが気持ちよく生活できる、
活躍できるようになるという点においては、
「共生社会」も「多文化共生社会」も同じということです。
当サークルで座談会等も開催している「合理的配慮」の課題は、障害者にだけではなく、外国に繋がる人々にも当てはまるということだと、今回、強く感じました!
2年前にサークルの活動を始めたことをきっかけに、同じように障害児・者や不登校について活動をされている先輩方や支援者の方々と知り合えました。
一方で、座談会に参加してくださったり、SNS等で繋がったりして、支援の対象者は違えど、それぞれで様々な活動をされている団体があることを知りました。
今回の外国に繋がる方の支援もそのひとつです。
2年でわーっと広がって、
繋がったこのご縁を、
普段まったく活かせていないな、
という感覚があったのですが、
今回お話を聞いて、
お互いを知って、繋がっておくことで、普段はその繋がりが弱く緩やかなものであったとしても、
何かの時にぎゅっと強く繋がったり、
お互い助け合える存在がたくさんいるって、とても心強く、素晴らしいことだな、と思いました。
最後になりましたが、
新たな学びがあっただけではなく、
私たちの活動の意味について改めて感じさせて頂いた今回の講座の講師を務めてくださいました、
石川県国際交流協会 石津様に感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。
以上、今回の勉強会報告&感想は、ともみでした♪
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