体のモードを調節する自律神経
本記事を楽しみにして下さっている皆様、お待たせいたしました!
楽しみにして下さっていると信じて・・笑
ポリヴェーガル理論シリーズ②は、
心身の状態を左右している自律神経についてです。
目次
交感神経
◆体を元気モードにする交感神経
交感神経が働くときって、どんな時でしょうか?
それは、
「元気に活動するとき」です。
お日様が登って、一日が始まる。
そんなとき、
体は酸素をたくさん取り込んで、エネルギーを燃やして、外で元気に活動する。
そんな一日をサポートしてくれるのが交感神経です。
元気に外に出て、
ちょっとの擦り傷でバイ菌は入るようでは元気に活動できません。
だから体の表面には皮脂膜バリア、というのもで保護されていたり、
呼吸の度にバイ菌が侵入しにくいように、粘膜を強くしたりする働きがあります。
そのため、体の中にある栄養素なども、
惜しみなくジャンジャン使って、「活動」をサポートします。
そう、交感神経は、車に例えるなら
「アクセル」
なんです。
◆交感神経と気持ち・行動
ではそんな交感神経がしっかり働いているとき、
わたしたちの気持ちや行動ってどんな状態でしょうか?
「さぁ、今日もバリバリ行くぜ!」
「さっさと支度して出かけようぜ♪」
こんな感じ。
交感神経は、気持ち(心)にとっても「アクセル」なんですね。
副交感神経
◆体を回復モードにする副交感神経
次に副交感神経です。
こちらが働いているとき、
体はどんな状態かというと、
お日様が沈んで、帰宅した時のような状態。
一日元気に外で活動したあと、
疲れた筋肉を緩ませ、
ガンガン酸素を取り込んで燃やした体をクールダウンさせます。
そうすることで、
老廃物を外に出して、
外で傷ついた皮膚を修復したり、
侵入してしまったバイ菌などもやっつけにかかります。
次の日また元気に活動するために、
「休息・回復・成長」モードにしてくれる神経なので、
体の中にある栄養素などは、
なるべく無駄使いしないようにセーブされます。
つまり、車に例えるなら
「ブレーキ」
のような役目をしているんですね。
◆副交感神経と気持ち・行動
そんな体がほぐれているようなとき、
わたしたちの気持ちや行動はどんな風かというと、
「あ~、横になって休みたい」
「出かけるなんて億劫だな」
「ゆっくりしたい」
そんな風に感じて、
時間を忘れてボーっとしたり、ゆっくり食事を楽しんだり。
そして眠たくなります。
副交感神経も、
やはり気持ち(心)にとってもブレーキなんですね。
そして副交感神経が持つ、もう一つの大事な働き、
それは「社会性」です。
相手の表情や声のトーンなどからその人の状態を推し量ったり、
コミュニケーションが取れる状態を作り出したりします。
ゆっくり相手と接する心の余裕、
といった感じでしょうか。
相手の状態から、
相手の気持ちを汲んだり、
寄り添ったりできるのは、
副交感神経が働いているおかげなのです。
過ぎたるはなお及ばざるがごとし
この2つの自律神経系は、
お互いにお互いを調節し合っているシーソーのような関係にあります。
どちらかが高いときは、もう一方は低いのです。
このシーソーが、
その人の活動を支えるように、
うまくバランスを取って動いてくれている時。
これが
「自律神経が整っている状態」
でも現代社会では、
多くの人が自律神経のアンバランスを抱えていて、
そのアンバランスからいろんな不調を抱える、
と嗅覚反応分析では考えます。
そう、「ほどよく」どちらも働く必要があるのです。
◆交感神経が過剰だと・・
では交感神経「アクセル」が過剰に働くとどうなるでしょう?
車と同じです。
スピードが出過ぎて危ないですよね。
ガソリンだって無駄にジャンジャン使ってます。
体の中では、
酸素を使ってジャンジャン燃やしているので、体は老廃物でいっぱい。
心臓の鼓動も早くなり、
体に負荷がずっとかかっている状態です。
これでは気付いたときには
体が悲鳴を上げて、健康を損ないます。
心の状態はどうでしょう?
速度超過のドライバーの気持ちになってみましょう。
「周りの車は遅すぎだぜ!」
「邪魔だ、どけどけ~!」
「オラオラ~!」
ってなりますよね。
周りの車から危険を知らせるクラクションが鳴っても、
救急車のサイレンが鳴っても、聞こえるわけありません。
これが交感神経が過剰な人の心理状態と行動クセです。
せっかちで、周りの人の意見なんて耳に入りません。
また、怒りっぽく、イライラしがち。
周りにいるのは、いわば敵。
常に逃げるか?戦うか?といった常時戦闘モードのような状態になってしまいやすいのです。
◆副交感神経が過剰だと・・
一方、副交感神経「ブレーキ」が過剰に働くことも問題です。
40㎞制限の公道を時速20㎞で運転するとどうでしょう?
同じ道のりでも目的地に到着するのに、
倍ほどの時間がかかりますよね。
周りの車からクラクションを鳴らされても、
もちろん反撃もできません。
「あぁ怖い・・ケンカに巻き込まれるのは厄介だ」
と思って、
本当の気持ちや考えを周りに伝えるのが苦手な状態。
でも周囲の敵意ある視線は、心にストレスをかけます。
副交感神経には社会性にも関係があると先に触れましたが、
社会性のアンテナがたくさん立っているような状態なので、
周りの空気感を読みすぎて疲れてしまいます。
ストレスを抱えているのに、
それを吐き出すことも苦手な状態なので、
心が疲弊してしまいがちです。
このように、
自律神経系は体の状態を調節するだけではなく、
気持ちや行動と言った心にも大きな影響を与えているんですね。
ここまでは、
嗅覚反応分析をもとにした、自律神経系についてのお話でした。
今回のキーワードは
「自律神経は体と心を左右する」
次回はいよいよ、ポリヴェーガル理論に迫ります!
次回は7月4日月曜日に投稿予定です。
ポリヴェーガル理論シリーズ一覧
①はじめに
②自律神経は体と心を左右する
③もう1つの自律神経
④発達障害
⑤不登校
⑥発達ちゃんを育てるママの心境
⑦自律神経を整える
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